実質値上げが犯人か、物価指数と実感のギャップ

Bloomberg 2015/4/13 09:51

  (ブルームバーグ):日本銀行が量的・質的金融緩和の目標としている消費者物価指数で見ると、消費増税の影響を除けばインフレはほとんど起きてない。しかし、人々の物価の実感は逆にじりじりと上昇している。そのギャップを埋める鍵は、値段を変えずにパッケージだけ変えて新商品を装い、量を減らした実質値上げにあるのかもしれない。

総務省が発表する消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は、2月に前年比2%上昇。増税の影響を除くベースでは、昨年4月に前年比1.5%上昇とピークを付けた後、増税の影響による需要の落ち込みや原油価格の大幅な下落もあって伸びが鈍化し、とうとう前年比ゼロ%に落ち込んだ。

しかし、日銀が2日発表した四半期に1度の生活意識に関するアンケート調査では、1年前に比べ物価が何%変化したか聞いたところ、平均値(極端な値を排除するため上下0.5%を除いて計算)は5.6%上昇と前回調査(5.3%)から加速した。昨年4月の消費増税前後はおおむね4%程度で推移していたが、9月調査以降3期連続で上昇した。

物価指数と人々の実感との乖離(かいり)の謎を解く鍵になりそうなのがSRI一橋単価指数だ。株式会社インテージ、一橋大学経済研究所、新日本スーパーマーケット協会が共同で開発、5月に週次の統計発表を開始する予定だ。新商品の価格をきめ細かくフォローしているのが最大の特徴で、増税後は1-1.5%と安定した伸びで推移している。

CPIが2%なら新指数は4%

一橋大学経済研究所の阿部修人教授は人々の実感と消費者物価指数のギャップについて「既存の商品の値上げではなく、新しい商品に入れ替えて、たとえばアイスクリームを120ミリリットルから110ミリリットルに減らしたり、ヨーグルトを85グラムから75グラムに減らすなど、そういう値上げをしていたというのがわれわれの見方だ」という。

同指数は全国のスーパー約4000店舗を対象にPOSデータを集計。新商品は品目を細かく分類し、ミリリットル、グラムといった単位に直して1年前の商品と比較する。同教授によると、平均的な小売店では半数近い商品が1年前に販売されていない新商品だが、「公式CPIでは、次々に現れる新商品の情報はほとんど含まれていない」という。
◎3月を指数100でものを考えると4月は120である。3月100g100円で買えた物が4月100g120円になっているから、100円で80gのものを買っていることで、物はうれていないということである。この積み重ねにも限界があり、高いものを買わなければなくなり、賃金が追いつかないから、いずれ景気は停滞し、不況になる。
 いまは円安で海外からの観光客や業者、投資家が買って、売れているようにもえるが、それを引くと国内の買いは強くない。一番人口の多い60歳以上の消費が弱いし、年金の減額でより買い控えに動いている。これもバカにならないし、若者も非正規雇用者がおおいので、消費にむかない。どうみても景気のあがる状況ではない。