軽井沢のスキーバス事故の原因は、フェード現象、ペーパーロック現象であるかもしれない。国交省の道路監視カメラの状況から、ブレーキを踏んでいるのにも関わらバスは減速していなく、明らかに効いていない.
フェード現象とは
どんな現象
長い坂をクルマで下るときには、エンジンブレーキを多用するのが理想です。MT車であれば、2速から3速といった低めのギアを使い、制限速度を超えないように調整します。AT車も同様で、2レンジ、もしくは3レンジを使い、できるだけフットブレーキだけに頼らない速度調整を心掛けてください。その理由は、長い下り坂で、フットブレーキを踏み続けていると、ブレーキディスクとブレーキパッドが接し続け、ブレーキパッドの許容範囲を超える熱が発生する可能性があるからです。ブレーキパッドには、その素材に応じた許容温度があり、その温度を超えてしまうと、摩擦係数が下がり、制動力が一気に低下してしまいます。すると、いくらブレーキペダルを踏んでも、クルマは止まってくれません。この状態をフェード現象といいます。
また、似たような症状として、ペーパーロックと呼ばれるものがあります。フェード現象が発生したまま、フットブレーキを踏み続けると、ブレーキディスクとブレーキパッドの熱が上がり続け、今度はブレーキペダルと、ブレーキパッドを押し出すピストンをつなぐブレーキフルードにまで熱が伝わります。その熱でフルードが沸騰すると、ホース内に気泡が発生してしまいます。この状態では、どんなにブレーキペダルを踏んでも、その力が気泡を潰すことに使われてしまい、ブレーキパッドを押す力になりません。このような状態を防ぐためにも、長い下り坂ではフットブレーキだけでのスピード調整を行わず、エンジンブレーキを多用してください。
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