今後の経済のマイナス原因

(1)「エルニーニョ冷夏」は景気にマイナス 日本経済に思わぬ伏兵現れる

J-CASTニュース 6月23日(月)10時30分配信
 全国的に猛暑と記録的な大雨など、荒れ気味の天気が続いているが、2014年は冷夏になるという。世界的に異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」が発生するというのだ。低温、長雨などとなれば、農業生産に影響を与えるほか、人々の買い物やレジャーの意欲をそぎ、景気にはマイナスというのが経験則だ。デフレ脱却に向かう日本経済にとって、思わぬ伏兵ともいえ、政府も空模様に気をもんでいる。

 「エルニーニョ」とはスペイン語で神の子=イエス・キリストのこと。太平洋赤道域の日付変更線付近から、南米のペルー沿岸にかけて、海面水温が平年より高い状態が続く現象で、地球全体の大気の流れが変わる。

■北米が大雨、オーストラリアは干ばつになりやすい

 数年に一度発生し、必ず異常気象になるわけではなく、程度もその都度、異なるが、一般に、日本付近では偏西風が平年より南寄りを吹き、太平洋高気圧の北への張り出しを抑えるため、気温が下がり、梅雨が長引くなど雨が多く降る傾向がある。世界では北米が大雨、オーストラリアは干ばつになりやすい。気象庁は2014年6月10日、5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高いと発表している。

 1990年以降でエルニーニョの影響でひどい冷夏になったのが1993年と2003年。第一生命経済研究所が、今年7~9月期の景気への影響を試算したところ、2003年並みなら家計消費は8754億円(1.3%)押し下げられ実質国内総生産(GDP)は6768億円(0.52%)ほど落ち込み、1993年並みになると家計消費が1兆4812億円(2.3%)程度減り、実質GDPは1兆1452億円(0.87%)押し下げられるという結果になった。

 エルニーニョは直接的に日本の景気の足を引っ張るだけではなく、間接的にも影響を及ぼす。例えば、小麦の産地であるオーストラリアで干ばつが起きれば穀物相場の高騰を招くのは必至で、実際、2003年にはオーストラリアの小麦収穫量が半減して価格は一時、2001年末に比べて約5割も上昇した。今年も、例えばチョコレートの場合、エルニーニョでインドネシアなど主要生産国が天候不順に陥れば、供給量が減って一段と価格が上昇する懸念が台頭している。
 
(2)避けられない企業収益へのマイナス影響

原油価格高騰で避けられない企業収益へのマイナス影響 原材料費の高騰という点では、化学、自動車、運輸などを中心に幅広い業種で企業収益にマイナス影響を与えます。石油化学では原料のナフサ(粗製ガソリン)価格上昇を受けて、三菱ガス化学<4182>三井化学<4183>旭化成<3407>の大手3社が、主要製品に関して最大30%と過去最大の値上げを発表しました。この値上げが浸透すれば、顧客側では大幅なコストアップ要因となります。もちろん、値上げがどの程度浸透するかは不透明です。また燃料費高騰による物流関連への影響も深刻です。航空業界ではジェット燃料価格高騰による採算悪化で運航削減の動きが広がり、米国では格安航空会社の経営破綻も出始めています。航空機の購入を先送りする動きもあり、航空機や部品メーカーへ影響が及ぶ可能性もあります。さらに船舶用重油価格が上昇しているため、遠洋漁業船が出漁を見合わせて休業を打ち出すケースも出始めています。

 一方で、原油価格上昇は消費の下押し要因となります。例えばガソリン価格の上昇は、車離れを通じて世界的に消費を減速させる要因となっています。米国では、ガソリン小売価格(レギュラー)が初めて1ガロン4ドル台に乗せ、前年同期比では3割強の値上がりとなりました。このため燃費の悪い大型車の販売が不振で、米ビッグスリーの新車販売シェアは過去最低水準に低下しています。日本でも、レギュラーガソリンの給油所店頭価格(全国平均)が初めて170円台に乗せました。この結果、消費者の買い控えが広がり、販売激戦区では逆に値下げの動きも出ている模様です。また自動車販売やガソリン販売の減少に加えて、郊外型飲食店の不振が鮮明になるなど、車離れの影響が広がりつつあります。

 08年度の企業業績予想を見ると多くの企業は、原燃料高の製品価格への転嫁を一部織り込んだうえで減益を予想している模様です。しかし製品価格への転嫁は最終製品の需要減少につながる可能性があり、容易ではありません。原油高とドル安(対ドルでの円高)が加速すれば、輸出関連株は大きな打撃を受ける可能性が高まります。
2つの理由で7月以降の経済に痛手が見られるようになる。物価上昇で景気が低迷する。