NHK「かぶん」ブログ

北海道~関東沖 スロースリップ現象が地震誘発か

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北海道から関東の沖合で、プレート境界がゆっくりずれ動く「スロースリップ」という現象が周期的に発生し、活発化すると周辺で比較的規模の大きな地震が多く発生することが、東北大学などの研究グループの解析で初めて明らかになりました。5年前の巨大地震の際にも同様の傾向が見られ、研究チームは将来の大地震の発生時期の予測の向上につながる可能性があるとしています。

「スロースリップ」は、海側と陸側のプレートの境界が体に感じるような揺れを起こさずにゆっくりとずれ動く現象で、南海トラフの周辺などでは確認されていましたが、太平洋プレートが沈み込んでいる北海道から関東の沖合では、プレート境界が陸地から遠く、詳しい実態は分かっていませんでした。
東北大学の内田直希助教の研究グループは、スロースリップが発生する際に、ごく小さな地震が繰り返し起きることに着目し、北海道から関東の沖合で平成23年末までのおよそ28年間に観測された、ごく小さな地震のデータを基に、スロースリップがどこで起きていたかなどを解析しました。
その結果、5年前の巨大地震の震源域や北海道東部の沖合など、プレート境界が強くくっついていると考えられている領域を除き、広い範囲で、スロースリップとみられる地殻変動が確認され、およそ1年から6年の周期で繰り返し活動が活発になっていたことが分かりました。
また、北海道から関東の沖合では、スロースリップが活発になると、周辺でマグニチュード5以上の比較的規模の大きな地震が増え、特に三陸沖では、活発でない時期の6倍以上に増えていたことが分かりました。
5年前の巨大地震の際にも、震源域の周辺の三陸沖や茨城県沖などでスロースリップの活発化が起きていたということで、研究グループでは、この海域ではスロースリップが活発化することで、周辺にも力が加わり、規模の大きな地震を誘発しているとみています。
内田助教は「これまでの観測にスロースリップの観測を組み合わせていけば、将来、大地震の発生予測の精度を高めることができると期待される」と話しています。

スロースリップ 地震との関係は

(1)東海や四国の周辺では、半年から数年の周期でスロースリップが観測されていますが、地震の発生と関係があるかについては分かっていません。
(2)一方、千葉県東方沖では、フィリピン海プレートという海側のプレートと陸側のプレートとの境界でスロースリップが起きると、周辺で地震活動が活発になることが知られていて、平成19年8月にはスロースリップが起きたあとに千葉県で最大で震度5弱の揺れの地震が発生したほか、平成23年11月にはスロースリップが収まって1か月後に千葉県で最大で震度4の揺れの地震が発生しました。
5年前の巨大地震の際にも、海底での観測の結果などから、地震の1か月余り前に一時的にスロースリップが発生し、地震を誘発した可能性が報告されるなど、大地震の発生と何らかの関係があるのではないかとして、研究や観測が進められています
また、スロースリップは通常、GPSなどの地殻変動のデータを基に解析しますが、北海道から関東にかけて陸側のプレートに太平洋プレートという海側のプレートが沈み込んでいる場所は陸から遠く、詳しい実態は分かっていませんでした。
東北大学の内田直希助教らの研究グループは、スロースリップが起きる際に繰り返し発生するとみられる、ごく小さな規模の地震データを解析することで、スロースリップの活動を推定しました。
このスロースリップ現象は巨大地震との関係がありそうで、「
北海道から関東の沖合で平成23年末までのおよそ28年間に観測された、ごく小さな地震のデータを基に、スロースリップがどこで起きていたかなどを解析されました。」であるとすると、これがこの地域でつづいていると再び第2の東日本大地震(関東大震災)の発生が考えられる。また、南海トラフの前兆のスロースリップ現象が
起こっているのだと思います。関東、東海、中部、近畿、四国、九州にかけての地殻変動のマクロ的調査研究を進めて、東北大学の東日本大地震の発生メカニズムを生かすようにできればいいとおもいます。