安倍首相は何を重視して、日ロ間の関係改善を進めるのか。領土問題は、米ロ間で決められてこと。日ロ関係を発展させることは、日米関係に影響を与えることになる。
 アメリカが本当にアジアから手を引くことがあれば、事情はかわると思います。しかし、そのようなことになったら、日本以外の韓国、台湾にも大きな影響を与えることになる。
 そこで、アメリカが、アジア市場から手を引けない、それは貿易高のウエイトが高いからである。
 故に、アメリカの影響力がアジア地域にあるうちはロシアとの交渉には限界があると思います。例えば、二島が返還されるとすると日本の思うままになるかというとそこにはアメリカ軍基地がおかれることになるのは自明の理である。このことからもロシアが領土の返還は難しいのです。
 日本のもう一つの問題が中国の存在です。アメリカは防波堤になってくれるが、ロシアはアメリカの代わりを果たしてくれない。ロシアにはアメリカほどの経済力も、技術力もないからである。だからアメリカの手のひらでの外交をうまくやらなければならないのである。ハワイでのパールハーバーの慰霊と日米首脳会談のもつ意味が大きいのである。
 日ロ首脳会談で、プーチン大統領は、何をお土産をもってくるのか。安倍首相は何をお返しするのか。これも注目されることである。これが成果があったかどうかの判断材料である。
 これを受けての急遽設定された、ハワイでの日米首脳会談でどのように日ロ首脳会談の結果を伝えるのかも注目される。
 ㋈以降の日ロの外務大臣や事務レベルの交渉をしているが思うように進展していないのが現状である。日米の首脳関係はよいとは言えない。大国との関係がうまくいっていないので、アジア諸国訪問をせざろうえない。
これはTPPがらみである。
 すべての問題の根底にあるのが、中国の存在であり、こことの関係をうまくすることがいいのであるが、相手が日本というより安倍首相との関係にあるので、ここがかわらない限り停滞が続くことになる。